甲状腺がんは自覚症状があまりない
甲状腺がんは他の癌と違い、高齢者層だけでなく幅広い年齢層で広く発生しています。また、患者さんの中で女性の割合が男性よりも約3倍ほど大きくなっているのも特徴的です。基本的に進行が遅く治癒しやすい癌といえます。
甲状腺がんには乳頭がん・濾胞がん・髄様がん・未分化がんなどがあります。この中では乳頭がんが最も多く8割以上を占めていて、リンパ節転移しやすいと言われています。また、濾胞がんは骨転移や肺転移を起こしやすく、髄様がんは生まれながらにもつ遺伝子異常から発生しているとみられています。最後の未分化がんですが、頻度は低いですが最も増殖が速く悪性度が高い癌といえます。
甲状腺がんは一般に自覚症状がはっきり出るわけではありません。最も多いのは甲状腺のしこりですが、たまたま人に指摘されたり他の検診で発見されたりというケースがよくみられます。また、リンパ節に転移したことによる頸部リンパ節腫大もありますが、これも基本的には本人は気付かないことが多いです。ただし、未分化がんに関してはこの限りではなく、息苦しさや痛みなどはっきりとした症状が現れます。
甲状腺がんの検査と治療
甲状腺がんは病院で専門医が触診することで8割方診断がついてしまいます。さらに癌の内部構造や浸潤の度合いを調べるためにCT検査や超音波検査も行います。また、腫瘍部分の細胞を採取して観察する穿刺吸引細胞診やMRI検査・甲状腺シンチグラフィなどを行うこともあります。髄様がんに関しては血中の腫瘍マーカーを測定します。カルシトニンやCEAなどの数値から診断できます。
甲状腺がんの治療には外科療法による手術が基本です。その場合、全摘出以外にも一部を温存して残りを摘出したり、右葉か左葉のどちらか一方を切除する方法などがあります。頸部リンパ節転移があるケースでは頸部郭清術を行い、肺転移の治療には放射性ヨードを内服します。未分化癌については手術ではなく、抗がん剤を使った化学療法と放射線治療をすることになります。